これから行政書士の試験勉強を始めようと考えている方にとって「どういった勉強法で試験対策していくか?」という点が非常に悩ましい課題となってきます。
その中でもやはり「独学」「通学講座」「通信講座」のいずれかで検討される方も多いでしょう。
いずれの勉強法についても合格することが出来る学力を身に付けることは可能ではありますが、それぞれでメリット/デメリットがあります。
本記事では、「独学」「通学講座」「通信講座」それぞれのメリット/デメリットをご紹介していきますので、各勉強法の特徴を理解していただき、最善の勉強法を選択する際の参考にしてください。
独学で試験対策をする場合
メリット
- 掛かる費用が教材・テキストのみなので最も安く済む
- 自分で自由に学習計画を立てられる
デメリット
- 基本的に独りなので不明点は自己解決していく必要がある
- 長期間の学習を必要とするため、モチベーション維持が難しい
- 自由に学習計画が立てれる反面、合格実績のない計画であるため、進めていくと不安になることが多い
どんな人が独学に向いているか?
過去に資格試験を独学で勉強されたことのある方であれば、知識・学力をビルドアップさせる段取りや弱点部分の克服方法、そしてモチベーション・やる気の維持などなど、、スタートからゴールまでの道筋が明確になっていると思います。
そういう方は、合格実績のある教材や問題集を選択して試験対策を行えば、合格するための学力を身に付けることが出来るでしょう。
また、すでに行政書士事務所で働いている方などであれば、試験範囲で学習する内容や言葉などがイメージしやすい分、全く知識がない方と比べ理解のスピードが早いので、独学で十分対応が可能だと考えられます。
逆に言えば、上記に該当しない方が独学で行政書士試験を目指す場合、結構厳しい道のりになるとも言えます。
通学講座を利用した試験対策の場合
メリット
- 合格実績のあるカリキュラムで学ぶことが出来る
- 専門講師による生の講義を受けながら学習を進めることが出来る
- 決まった日時に学校に通って勉強する必要があるため、ある種、義務的に勉強するクセがつく
- 分からないところは講師にその場で直接質問することが出来るので効率がよい
- 行政書士を目指す人たちと一緒に学べるので、何かと刺激になりモチベーション維持にもつながる
デメリット
- 独学、通信講座に比べてかなり費用がかかる
(受講料の相場としては20~30万円あたり) - 生活圏内に通学できる学校が無い場合は、行きたくても行けない
- 授業の時間がある程度決まっている為、予定を組みやすい方に限定される
どんな人が通学講座に向いているか?
通学講座の場合、独学で挙げているデメリットの多くが解消されることになるため、独学では自信がない方、今まで独学での学習でうまく行かなかった方の選択肢としてはアリだといえます。
また、高額な受講料(相場は20~30万)を投資することになるため、そう簡単にはサボることはできませんので、イヤでもモチベーションを保つことが出来るでしょう。
※リスクが勉強の活力になるといった感じ。
あと、通学講座の最大のメリットと言えるのが「同じ志を持った仲間が近くにいる」ということです。
コミュニケーションが取れるようになれば、学習の進め方に関する情報交換なども出来ますし、今後、行政書士を取った後のアドバイスなど試験勉強以外のことでも情報を得ることが出来ますので、こういったことは他の勉強法では絶対得ることの出来ないポイントです。
ただし、絶対条件として「通えること」「時間の融通が利くこと」が必要になってきます。
近くに学校がない人はそもそも選択肢に入れれないですし、突発的に残業や休日出勤が発生するサラリーマンの方なども通学講座は不向きになってきます。
費用面、通学条件といろいろ制約はありますが、試験対策方法としての効果は非常に高いので、可能な方は選択肢としていれておくのも良いでしょう。
通信講座を利用した試験対策
メリット
- 合格実績のあるカリキュラムで学ぶことが出来る
(これは通学講座と一緒) - 講義付きの通信講座も多く、通学講座と同様に授業を受けながら学習出来る
- 学習質問や添削指導といったサポートが受けることが出来る
- 学習計画が組まれている通信講座もありますが、基本的には個人の裁量で進めることが可能
デメリット
- 独学に比べると費用がかかる
(受講料の相場としては6~12万円あたり) - 学習スタイルとしては独学に近い形となるため、学習の継続、モチベーション管理は自己責任となる部分が多い
どんな人が通信講座に向いているか?
学習スタイルとしては基本的に独学と差がありませんが、通信講座の場合は合格実績のある教材と学習カリキュラムが揃った状態でスタートが切れますので、教材選びや学習の進め方に自信がない方にはちょうど良い勉強法と言えます。
また、最近ではほとんどの通信講座で講義付きとなってますので、通学講座と同じように授業を受けながら学習できる点もポイントだと思います。
※スマホやタブレットでも講義視聴出来るところが多いです。
そして独学とは大きく違う点としては「質問できる」「添削をしてもらえる」ということです。
不明点、問題点を自分で調べるのが苦手な方は質問サポートや添削指導をフルに活用すれば、効率も非常に良くなりますし、分からないところだらけでやる気がなくなるといったことも回避できます。
ただし、これらのサポートも自分自身で学習をしない限りは質問・添削自体が発生しませんので、継続して勉強するという強い意志が必要不可欠な点は独学と同様になります。
費用面は、教材費+学習サポート費が最低限かかってきますし、講義付きであれば+3~5万円は費用が増えますので、ある程度、自己投資と割り切って予算が組める方でなければいけません。
あと、学習スタイルは独学に近いため、モチベーション維持に自信がない方であれば費用がかさみますが、通信講座よりも通学講座を受講し、半ば強制的に勉強する環境に身を置くほうが後々のことを考えるとよいかもしれません。
それぞれのイイところを組み合わせたハイブリッド勉強法!
「独学」「通信講座」「通学講座」のメリット、デメリットをご紹介しましたが、「どれか1つに決めないといけない?!」という必要は実はなく、それぞれのイイところをピックアップして、自分のオリジナル勉強法を確立することも全然可能です。
まぁ、書くのは簡単ですが、実際のところ何をどう組み合わせたらよいかを具体例を出してご紹介しておきます。
独学 + 弱点補強として単科講座を受講
勉強法のポイント
基本的には市販教材を軸に独学で学習をすすめますが、強化ポイント別で単科受講が出来る講座で弱点補強を行っていく戦法。
学習経験者、受験経験者の方であれば、この組み合わせが比較的安上がり&効果的。
補強する講座の内容例
・演習・答練等のアウトプットに特化した演習講座
・試験前の仕上げ用の直前対策講座
・法改正内容に特化した集中講座
・試験慣れするための模擬試験
資格スクール | 講座コース名 | 受講料 |
クレアール | 重要過去問攻略講義 | 36,000円 |
肢別論点マスター講義 | 60,000円 | |
民法特訓講義 | 30,000円 | |
行政法特訓講義 | 30,000円 | |
記述マスター講義 | 40,000円 | |
科目別パーフェクト答練 | 41,200円 | |
解きまくり総合答練 | 12,000円 | |
総まとめ講義 | 28,000円 | |
公開模擬試験 | 3,000円 | |
フォーサイト | 過去問講座 | 34,800円 |
直前対策講座(記述問題対策) | 10,000円 | |
直前対策講座(一般知識対策) | 10,000円 | |
直前対策講座(択一対策) | 10,000円 | |
直前対策講座(3編同時申込) | 25,000円 |
リーズナブルな通信講座 + 不足分を市販教材でカバー
勉強法のポイント
メイン教材は比較的受講料の安い通信講座を受講し、問題演習などのアウトプットが不足しているようであれば市販教材でカバー。
通信講座のカリキュラムに沿った学習が軸になるので、初めて行政書士試験を目指す方におすすめの組み合わせ。
資格スクール | 講座コース名 | 受講料 |
フォーサイト | 行政書士通信講座 | 64,800円~ |
資格スクエア | 行政書士徹底サポート講座 | 80,000円~ |
LA(エルエー) | 行政書士スピード合格コース | 99,000円~ |
書籍イメージ | 書籍名 | リンク |
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注)各問題集については受験年度の最新版が発売されます
まとめ
「独学」「通学講座」「通信講座」のいずれにおいてもメリット/デメリットがあるため、一概にコレが一番イイというのは言えませんが、受験される方の学習経験値、予算、状況などに応じて決めていく必要があります。
また、ご紹介させていただいたハイブリッド勉強法(自称)も参考にしていただき、必要なモノを必要なタイミングで選んでいけば効率よく、かつ費用を抑えて試験対策をすることも可能となるでしょう。
行政書士試験の勉強法は、最初のメイン教材を何にするかがポイントになってきますので、本記事を参考にベストな選択をしてもらえると幸いです^^